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プロジェクトストーリー 02

スクラッチ開発基幹システム運用保守プロジェクト

寄り添って要望の背景を
とことん突き詰める姿勢で、
信頼関係の強化と
ご依頼の長期継続につなげる

プロジェクトマネージャー
EITサービス事業部
アカウントサービス部
2023年入社|経済学部卒
N.N

販売や生産、会計、人事など、企業がビジネスを行うために必須となる業務の効率化を実現する基幹システム。電通総研セキュアソリューションではこの基幹システムについて代表的な製品を扱うほか、顧客に合わせた独自開発(スクラッチ開発)も行っている。
ここで紹介するのは、ある外食企業向けにスクラッチ開発した基幹システムの運用保守プロジェクト。約30年前に開発し、以降、当社が運用保守を担ってきたこの業務が新たな状況を迎えたのは、2023年4月のことだった。

プロジェクトの概要
契約期間:2024年4月~/
社内メンバー数:6名

30年間実務を担ってきた
運用保守業務が直接取引に

当社がスクラッチ開発を行ったのは、販売管理や直営店舗管理、POS集配信など約10システム。その他、人事・給与やジョブ管理、帳票など約20システムについて既存製品を活用して提供しており、これらのシステムやITインフラの運用保守を長期に渡り担ってきた。
運用保守では、システムやインフラが正常に稼働しているか監視し、障害が生じた場合は速やかに対応する「維持管理」や、お客さまのビジネスの変化に合わせて機能を追加したり、既存の機能に変更を加えたりする「機能向上」といった業務を行う。このほか、近年におけるインボイス制度など法令対応をシステム面で支援するためのプログラム改修や、サーバやネットワーク機器の老朽化に伴う入れ替え、OSのバージョンアップなども担う。
この業務を体制面から見ると、従来は、顧客企業と実務を担う当社との間に親会社の電通総研が入って窓口を務めていた。しかし2023年4月より、当社が顧客企業と直接取引を行うことになったのだ。
時を同じくして、この業務にプロジェクトマネージャー(PM)として参画したのがN.N.である。当時、彼は他社から転職してきたばかり。先入観のない客観的視点の持ち主として、プロジェクトチームに新たな風を吹き込んでいった。

お客様システム全体像

高いチームワークが持ち味。
さらなる進化を遂げるために

顧客企業の要望を受けた電通総研が要件を整理し、対応範囲や内容などを明確化して実務側に指示する。これまでは指示に対応することが当社の役割だったが、直接取引になると、「お客さまが何を望んでいるか」を自身で正確に把握することが必要になる。
「しかし、メンバーがその作業に慣れていないことが、プロジェクト開始当初の課題でした。例えば“ソリューション”のように、お客さまと当社担当者で同じ言葉を使っていたとしても、具体的にそれがどんなものを指しているか認識がずれている場合がある。従来は電通総研の指示を受けて作業を行っていたため、そういった状況に気づくセンサーがやや弱く、強化の必要があった。その認識をメンバーと共有することからPMとして仕事を進めていきました」
長年運用保守を一手に担ってきただけのことはあり、技術力は高くメンバー間のチームワークも良好だった、とNは語る。「システム改修などであるメンバーに作業が集中するシーンでは担当以外のメンバーも率先して手を貸したり、自身の担当領域以外のことでも気づいたことがあれば発言して障害を未然に防いだり、というように、互いに助け合って業務に取り組む雰囲気が根付いていました。直接取引となったこの局面で、その細やかな意識をこれまで以上にお客さまに向けるチームとして進化したかった」
運用保守の業務自体はこれまでと変わらない。しかし電通総研セキュアソリューションとして直にお客さまに向き合うこれからは、メンバー一人ひとりが自身の担当領域に寄せられる要望を的確に把握し深堀りしてお応えするとともに、互いに声をかけあって業務の質を高めプロジェクトの全体最適を図る意識が求められるのだ。

運用保守業務の肝は、
お客さまとのコミュニケーション

「基幹システムの運用保守と聞くと、パソコンに向かい粛々と作業する仕事、という印象を抱く人もいるかもしれません。けれど、この業務において何よりも大切なのはお客さまとのコミュニケーションです」顧客企業の要求通りに対応したにも関わらず満足していただけない。運用保守においてまま起こる状況であるが、Nはその原因を、「お客さまの言葉だけを切り取って対応しているから」と指摘する。「要求の背景に何があるのか、またその要求が満たされた先に何を見据えていらっしゃるのかを常に意識し、聞き取りを重ねてニーズを正確に捉え、設計に落とし込んで確認を取る。お客さまに寄り添う姿勢を持ち続けることで、満足していただける成果を出すことができるのです」
例えば、とNはプロジェクトにおける例を挙げた。「売上データを一括で取り込める機能を追加したい、というご要望をいただきました。けれどそれをそのままカタチにするのではなく、具体的にどのように利用するのかを多角的にヒアリングしないと、本当の意味でお客さまに喜ばれる仕事はできない。お客さまが想定している利用状況を理解しないまま上限値を100件で設計したとして、データ数が30件や50件で済んでいるうちはいいけれど、100件を超した時にエラーが生じて業務に支障が出てしまうかもしれない。また、よくよくお話を伺うと、売上だけでなく仕入についても同じ機能を追加した方がその後の改修の工数を抑えられるのでは、といった気づきが得られることもあります」
寄せられた要望をふくらませてチームが行った提案はお客さまにとても喜ばれた、とNはイキイキと語る。「運用保守の仕事は地道なものではありますが、お客さまに寄り添い、的確かつフレキシブルに機能向上を図りながらシステムやITインフラの安定稼働を通じてビジネスを支えることで、信頼を強固にしていくことができる。そこにこの仕事の喜びと、やりがいがあると感じています」

事業部間の協働で、
これまで以上に
幅広く顧客ビジネスをサポート

NはPMとして、プロジェクトメンバー一人ひとりの個性をしっかりと把握している。「お客さまのご要望の背景をイメージする力を持っている、自身の引出しから最適なソリューションを選び抜き具現化する力に秀でているなど、それぞれが強みを持っています。これを掛け合わせることで、チームの潜在力を何倍にも広げられると思っています」
目指すのは、突出したリーダーを1人育てるのではなく、皆の持ち味を活かしてチーム自体の推進力を向上させること、とNはマネジメント面での抱負を語る。
この運用保守プロジェクトは今後も続く。きめ細かで質の高いサービスを提供し続けることで電通総研セキュアソリューションとして存在感を発揮し、顧客企業の信頼を獲得する。そしてより幅広くご依頼をいただいて従来以上に取引を活発にすることがNの目標だ。「そのために、さらに進めたいのが社内における事業部間の協業。入社直後はプロジェクトのマネジメントで精一杯でしたが、メンバーに任せられるシーンも増えてきた今は、いろいろな事業部に顔を出しながら各部が担う業務や特長に精通したい。クロスセル的な手法で、お客さまのご要望やお困りごとに対して期待以上のご提案を行っていきたいと考えています」

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多彩なITビジネスを展開する当社。それぞれの領域で高い技術力や豊富な知見を持っている、実力の「広さ/大きさ」が魅力です。だからこそ、自分が所属する以外の事業部にも自分事として関心を持つことが大切。それがIT人材としての大きな飛躍につながると感じます。