プロジェクトストーリー 01
事務局ITインフラ構築プロジェクト
チームワークと
諦めない姿勢で、
短納期・0からの
ITインフラ構築を実現
- プロジェクトマネージャー
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デジタルビジネス推進事業部
クライアントプラットフォーム部
2011年入社|工学部卒
N.K
今やITインフラは企業や組織の活動になくてはならない存在だ。これはパソコンやネットワークなどのハードウェアとOSやミドルウェアなどのソフトウェアといった多彩な要素で構成されており、クラウド導入なども行われる。電通総研セキュアソリューションは、こうしたITインフラの一括提供を得意としている。ここでは、2024年春に完了し運用スタートした、某事業の事務局を対象としたITインフラ構築プロジェクトをご紹介する。
- プロジェクトの概要|
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●構築期間:2024年3月~4月/
●社内メンバー数:6名
納期は1カ月弱。
スピードと計画的なアクションが
カギ
このプロジェクトは、特定企業からの申請受付を行うお客さまから依頼を受けたもの。このお客さまが国から事業を委託され、2024年4月に事務局を開所することとなった。この事務局で使用されるITインフラの構築を担うのが、プロジェクトマネージャー(PM)のN.K.が率いるチームである。
今回構築するITインフラでは、パソコンや電話機を約100台、複合機数台を設置し、ネットワーク環境も構築。パソコンにはMicrosoft365などのソフトウェアやセキュリティ対策ツールを搭載し、ファイルやデータの共有基盤としてクラウドのストレージサービスも導入する。
プロジェクトは事務局が設置されるオフィスの物件探しに同行することからスタート。Nは床下の配線やインターネット・電話回線の設置がスムーズに行えるかなど、ITインフラ構築を担う立場からアドバイスを行う。
物件がほぼ確定したところで、Nはいち早くインターネット・電話回線を手配。ITインフラ構築において最も時間がかかるのが回線の敷設なのだ。「今回のプロジェクトにおける最優先事項は納期。プロジェクトスタートから事務所開所までの期間が1カ月弱でした。お客さまが事業を受託する際の契約事項に事務局開設日も含まれているため、この日にITインフラが構築できておらず事業開始に支障が出ると多大なご迷惑をおかけしてしまいます。いつまでにどういった工程をクリアしていく必要があるか逆算してスケジュールを立て、メンバーに共有して業務を進めていきました」とNは振り返る。
全体構成イメージ
前提条件が覆ることも。
都度対応と要所確認で着実に進行
オフィスの平面図が提供されると、Nとプロジェクトメンバーはどのエリアに何人のスタッフが配置されるか、どのように業務が行われるかなどを確認しながらITインフラの具体的な内容を考える。
通常であれば定例会議などを通じてお客さまから要件をヒアリングして定義書にまとめ、確認を取りながら進めるが、今回のプロジェクトではそれを行う時間がない。お客さまやメンバー、協力会社などとチャットでやり取りしながら進行していく。
事務局の運営についても検討段階のため、「スタッフは原則としてオフィス内でのみ業務を行う」から「出張やリモートワークなど、オフィス外での業務もあり得る」というように、前提条件が変わることも日常茶飯事だ。都度のフレキシブルな対応と、要所の確認。双方に目配りしながら、メンバーはそれぞれが担当する領域について具体的な内容を詰める。
この段階で、ある懸念事項が生じていた。年度初めの時期でキャリアへの工事依頼が集中しており、ネットワークや電話の回線敷設が間に合わない可能性があったのだ。本当に間に合わない場合はどうするか。チームで議論し、Nはお客さまにモバイルWi-Fiを用意するバックアップクランをご提案した。「ITインフラ構築は案件ごとに条件が変わる、いわばオーダーメイド。今回はどんな課題が出てくるだろう、とメンバーも私も毎回ドキドキしています」とNは笑った。
最終段階はまるでイベント!
不測の事態もチーム力でクリア
各領域の計画が固まり、お客さまに承認をいただくと、メンバーは必要な機器や工事、ソフトウェアのライセンスなどを手配。パソコンやオフィスインテリアのレンタル業者、電気工事会社など、関係各社と調整し、スケジュールを立ててチーム間で共有する。Nはそれらを集約し、全体の進行状況をお客さまに報告するとともに、遅延がないか、不測の事態が生じないかなどの管理をしていく。
新オフィスに電気工事が施され、機器や什器が搬入されたのは事務所開所が数日後に迫った時期。いよいよITインフラ構築の最終段階である。ここで必要となるのはマンパワー。「パソコンはまず弊社に搬入してもらい、メンバーが集まってアプリケーションなどをセットアップしてからお客さまの事務局にお届けして設置。ネットワーク関係は担当メンバーが現地に伺って対応したりオンライン上で作業したり。体を動かすシーンも多く、この段階はちょっとしたイベントのような雰囲気になります」
インターネットと電話回線の工事も間に合い、パソコンや複合機を設置してネットワークも構築。問題なく稼働するか確認すると、インターネットに接続できない。メンバーはまずそれぞれの担当領域についてチェックし、次にチーム内でコミュニケーションしながら原因として考えられる要素を一つひとつ潰していった。「事前に十分な検証期間があればこうしたリスクをクリアできますが、今回はほぼぶっつけ本番。みんな、緊張感を持って作業していたと思います。そして実際に課題が生じると、自分の担当領域に問題がないから良しとするのではなく、それぞれが能動的に対応にあたり、力を合わせて解決していった。こうしたチーム力も当社の持ち味だと感じています」
そして迎えた事務局開所日。Nとプロジェクトメンバーは新オフィスに伺い、ITインフラが問題なく稼働しているかを確認。お客さまが当たり前のように業務に取り組む様子に、ほっと肩の力が抜けた、とNの表情に笑みが浮かんだ。「今後の運用保守も当社が担います。安定的な稼働を通じて、お客さまの事務局運営をしっかりと支えていきたいと思います」
ゼネラリストを育て、さらに多くの案件獲得を目指す
タイトな日程の中でいくつかの課題を乗り越え、着実にITインフラを構築したこのプロジェクト。成功の要因を「課題にぶつかっても諦めずに考え抜いたこと」とNは語る。「例えばインターネット・電話回線の敷設にしても、間に合わないからと諦め、納期を伸ばしていただきたいとお客さまに負荷をかけるのではなく、限られた範囲の中でどうすれば解決できるか徹底的に考え抜く。他にも、メールアドレスや、スタッフ間でコミュニケーションを図るためのチャットツールのご用意の有無など、なかなか回答が出ず作業が進まないシーンもありました。回答がないと思考停止に陥らず、お客さまに働きかけてメリット・デメリットを一緒に考え答えを引き出すなど、皆アグレッシブに動いていた。PMを務める私だけでなく全メンバーがこういった姿勢で業務に取り組むことが、今回のような複数領域が絡むプロジェクトを成功に導くために重要なポイントだと思います」
今回のプロジェクトには、2名の若手社員も参画していた。それぞれが自分の担当領域に責任を持つとともに、領域を超えて力を合わせたこの経験は、若手社員にとっても意識をアップデートするきっかけになったのでは、とNは語る。「社会的にも意義のある今回のような案件を、今後さらに獲得していきたい。そのために、メンバーには自身の担当領域についてさらなるスキルアップを図ることはもちろん、他の技術領域についても積極的に学んで、ITインフラのゼネラリストとして成長してほしいと思っています。PMを務める力量を持つ人材をどんどん輩出して、会社の事業拡大に貢献できたらうれしいですね」
- 当社の「拡さ」の魅力とは?
- 幅広い技術領域を扱うとともに、モチベーションに合わせてそれらにチャレンジできる「懐の広い」環境があること。自分とは異なる技術領域のプロフェッショナルと力を合わせ、刺激を受けながらプロジェクト完遂を目指す楽しさも、当社の仕事の魅力だと感じています。